【2021年版新試験】PMP®試験を受験した話【PMBOK®第7版】

先日、会社でPMPを受験させられて一応受かったのでその話です。

1.PMPの研修に申し込まされた!!

先日会社で「池波く~ん、PMPの研修の予算が付いてるんだけど受けない??」と話がありました。

個人的には、「うげぇ~めんどくさ!!」という感じだったので、ノラリクラリしていたのですが、上の方では「せっかく会社が予算を付けているのに受けたくないとは何事だ!!」という空気があるらしく、結局研修に申し込まされてしまいました。

2.PMP(Project Management Professional)とは!?

PMP(Project Management Professional)とは、アメリカのプロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute)が主催するプロジェクトマネジメントの資格のことです。

国家資格でもないし、独占業務ができるようになるわけでもないですが、一応プロジェクトマネジメントの世界では国際的に通用する・・・らしい。

①受験資格は?

受験には、35時間の公式研修受講と、4大卒で3年以上(高卒~短大卒で5年)の実務経験が必要なので、ちょっとハードルは高めな感じ。

特に実務経験は、申込の時に英語で200~500単語の文章を書いて申請する必要があるので、結構面倒です。

注:なんか、昨年だかまでは550文字以内で良かったらしいんですが、今年(2021)から試験体系が大幅変更になって、200単語以上になったみたいですね。。。

ワシは英語が全然できないのですが、最近はDeepLとかの超翻訳サイトがあるので、それで日本語の文章を翻訳して申し込みました。

あと、申請するとランダムで内容の監査(Audit)があり、これに引っかかると業務経歴の証明のために上司のサインが必要になったり、卒業した学校へ証明書貰いに行ったりと非常に面倒とのこと。

ワシは申し込んで5日くらい審議中になってましたが、お陰様で監査対象にはなりませんでした。

なんか噂によると、今年からはPMI認定ベンダーの講座を受ければ監査対象外になるって話もあるようですが、PMIに申請した時に来たメールにはランダムで監査するよって書いてあったし、真偽は不明です。

②受験料と試験のタイミングは?

受験料は驚異の555米ドル(約6万円 ※2021年12月時点のレートです)。

そして、3年ごとに150米ドルの更新料が必要。

PMIの会員になれば少々割引があるようですが、この資格は兎に角金がかかるイメージです。

試験は受験申請とその後の予約が通れば1年間は基本的にいつでも可能ですが、再試験は2回までで、それに落ちると1年後にしか受けられないみたい。

なお、再試験は375ドル(約4万円)で少々お安くなるようですが、3回受けると1,305ドル(約14万円)になるわけで、なるべく一発合格を狙いたいところ。

③試験方式は?

試験方式はCBT方式という、コンピュータで受験する方式。

試験問題は基本的に4択ですが、これも今年(2021年)から試験が変更になり、複数の中から正しいものを2つ選べとか、左と右の項目を正しい組み合わせにしろとか、正しい文字を入力しろとかのパターンが増えたらしい。

4択であれば、適当に選んでも4分の1(絞り込めばもっと)で当たる可能性がありますが、それ以外の形式の問題だともう少し確率が下がるので昨年以前の試験に比べて難易度は上がったようです。

んで、そんな問題が230分で、60問×3セット(180問)あります。

なんかこれも去年までは200問を240分でひたすら説く形式だったらしいですが、今年から60問ごとに試験時間に含まれない休憩が10分取れるようになったみたいです。

セットごとに回答を確定する必要があるので、回答の見直しもセット内で行わないといけないですが、個人的にはダラダラ230分やらされるよりは区切りが決まっていた方が良い感じがしますね。

60問終わると「回答を確定しますか?確定させると戻れませんよ?」的なメッセージが表示されるので、回答を確定させるとそこから最大10分の休憩がとれます。(次のセットは10分以内に自由なタイミングで次の試験を始める的なボタンを押せば始まる)

そうそう、あとこれは見分けがつかないので割とどうでも良い情報ですが、試験の中には今後の試験の参考にするという「ダミー問題」が含まれており、これは採点対象外になるらしいです。

そもそもプロジェクトマネジメントなんてコレが絶対正しいって正解は少ないので、こんな風に受験者から情報収集するのは面白い試みですよね。

④合格率は?

PMIは合格率を発表していないようですが、ネットで見る限り合格率は大体60%程度という噂。

合格率が15~20%の高度情報処理試験とかと比べると結構高いですが、受験料が受験料なので、ある程度覚悟を決めた人しか受けないというのはあるかもしれません。

情報処理試験も受験料が7500円に値上げされましたが、それでも試験会場行くとガラガラですからね。

どんだけ皆バックレてるんだっていう。。。

まぁ、PMP試験は何だかんだ言って4択で、2択まで絞れる問題も多いので、試験自体の難易度はそんなに高くないかなってのが正直な感じです。

受験に漕ぎつけるまで(実務経験)と、受験料の高さが資格取得のハードルを上げてる感じですね

3.勉強方法は??

ワシはこんな感じでした。

①認定ベンダーのオンライン研修

会社がお金を出してくれた認定ベンダーのオンライン研修を数日受講。

会社が出したので良くわからんけど、なんだかんだで人30万くらいするっぽい研修らしいです。

兎に角金がかかる資格ですね。

まぁ会社の研修で外部の講師を呼ぶと、1時間10万円とか取る奴もいるので5日の研修でe-ラーニングもついて30万は安いっちゃ安いのですが、予算化しろと言われると皆に受けさせるわけにはいかず、選抜になるよな~って金額ですね。

研修自体は流石に1人30万というだけあって、予習までは要らんけどその日やったことはしっかり復讐しとかないと、次回の研修で普通に怒られる感じのちょい厳しめな研修でした。

なんか去年まではPMBOK第6版とかの内容(プロセスとか成果物の定義や技法:ITTO)をひたすら暗記すれば大丈夫だったらしいんですが、今年の試験内容変更から暗記物や計算問題は殆ど出なくなったらしく、とりあえず授業はプロジェクトマネジメントやアジャイル開発の基本的な概念とか手法の説明がメイン

まだまだPMBOK第7版の出版物や、試験の情報が世の中に出回っていないらしく、先生も四苦八苦している感じでしたね。

結局ITTOに関しては、ワシも未だにITTO?なにそれ美味しいの??ってレベルです。

あと、昔は公式テキストとか、講習テキストとかを本で貰えてたらしいんですが、最近は何でも電子なのかテキスト類も全部ダウンロードしてブラウザで閲覧。

ワシは何かに書かないと覚えられないタイプなので、仕方なく先生が喋ったり画面に出てきたことをセッセとノートに写して、結局ノートが2冊半になりました。

最初は、会社の研修なんだし会社のプリンタで電子テキストを全部カラー印刷してやろうかとも思ったんですが、数百ページあったので流石にやめました。。。

それだけあると持ち歩くのも不便だし、やっぱり電子テキスト+ノートくらいが正解なのかもしれません。

②e-ラーニング

なんか上で受けた研修には、受講生向けにe-ラーニング(模擬テスト)が提供されていたので、それを朝の通勤時間を使って何度かやりました

スマホでできるのでこれが超便利で、朝の通勤時間にピコピコピコピコやっていました。

ちなみに帰りの電車は大抵酒飲んでベロベロ状態なので、朝だけですね。

本番の試験では見直し時間考えると1問1分ちょっとで解く必要があるので、時間感覚を身に着けるためにもe-ラーニング(模擬テスト)は有効だと思います。

③ノートの復習

試験直前になると、流石にe-ラーニングの問題の答えも全て暗記してしまったので、最後にノートの読み直しを1回やりました。

最初はテキストを読み直そうかと思ったんですが、これがまたつまらない上に量が多いので、結局ノートの読み直しだけにしました。

まぁ今思うと、研修では先生も要点をかいつまんで説明してくれてたわけで、それを写したノートは結構良い資料になっていたのかもしれません。

④勉強時間の合計!

研修が35時間e-ラーニングを13時間試験前のノート読み直しを2時間で、締めて50時間くらいなので、1日8時間としたら6.25日

勉強に使った時間としては大体1週間くらいでしたね

ただ、結局新試験になってから大半がケース(こういう場合どうする??みたいな)問題で暗記物は殆ど出ないので、結局自分の実務経験とか国語力とかそういうのに左右される部分も大きいと思います。

自分はなんとなく経験があったので、テキストもある程度はすんなり理解できましたが、全然未経験の人がやるとなると結構大変なのではないかな。。。

4.受験レポート

んで、受験。

受験はオンラインで自宅でも受けられるみたいなんですが、カメラを用意したり、最初に部屋に何もないことを証明するために部屋の撮影が必要だったりするみたいで、大人しく試験センター(ピアソンVUE)で受けました。

場所はココ

ビルに「PMO」とか書いてあるから、PMI関係のビルなのかと思って「儲かってんだな~」とか思ったら、よく見たら「PREMIUM MIDSIZE OFFICE」の略でした。

目印としては良いけど紛らわしいな!

別にPMPの試験だけではなく、ORACLEとかAWSとか、果てはSPIまで、幅広くCBT方式のテストで使われているようです。

驚いたのが、ボディチェックが厳しいこと!!

試験室には身分証明書と、私物をしまったロッカーの鍵以外何も持ち込めないので、休憩時間の出入りなんかのタイミングで毎回ボディチェックされました。

「ポケットの中に何もないか確認するのでポケットの袋を出して見せてください。」とか、「ズボンの裾をめくってください」とか、「ネクタイの裏を見せてみろ」とか色々言われます。

ワシは裸眼ですが、もし眼鏡だと、眼鏡に変な機器が取り付けられてないかチェックされるそうです。

まぁPMP試験の場合、眼鏡にカメラ仕込んで外の人が問題を解くとかならともかく、1問1分ちょいくらいで解かないとそもそも間に合わないので、カンペ持ち込んでる時点で落ちると思いますが。。。

休憩の時は、部屋から出てトイレに行ったり、飲み物やちょっとしたお菓子なんかを、ロッカー内に鞄から出しておいておけば飲食可能でした(ロビーでの勉強は禁止なので、鞄を開けるのはNG行為らしい)。

なお、試験は、手続き(約15分)操作チュートリアル(約5分)試験(230分)10分休憩2回で、なんだかんだで4時間半くらいかかります。

試験慣れしてない人にはちょっと辛いかもしれませんが、個人的には朝から拘束される情報処理試験とかに比べれば半日で終わるので楽なものでした。

そして、全問解き終わって提出すると、その場で合否が分かります。

合格していると「あなたは資格を取得しました。おめでとう。」みたいな素っ気ない日本語が表示されて終わり。

受験料が受験料なので、流石に最後の確定ボタンを押す時は「たのむぞ~・・・」という気分でしたね。。。

帰る前には、1枚紙に印字されたザックリした試験結果も貰えます。

5.おまけ(試験のコツ)

問題の内容については、外に漏らさないという誓約をさせられるんでここには書けないですが、ネットや書籍で言われているように、昔の機械翻訳みたいな日本語なので非常に分かりづらいです。

プロジェクトマネジメントの知識以上に相当の日本語読解力が試されます。


引用:ドラゴン桜 著者:三田紀房

まぁ画面のボタンを押せば英語の問題文(原文)も見れるのですが、ワシは英語ができないので。。。

あとは、ECO(試験概要)で説明されているとおり、アジャイルが半分くらい出ます。

アジャイルの手法や用語を知らないと話にならない感はあります。

あと、これはPMPに限らずどの試験でも同じかもしれませんが、特に言いたいのは下の2つです。

①問題の中の情報だけで考える

テキストなんかだと「この場合はこう!こういう時はこれ!!」という説明やテクニックが色々と出ているので、知っている全ての知識を使って問題を解きたくなりますが、そうすると余計混乱します。

問題文に出ている言葉以外は存在しないパラレルワールドの話くらいにみなした方が良いです。

自由筆記ではなく4択なので、あくまで情報は問題と選択肢が全てですね。

②選択肢の中で最善のものを選ぶ

上の①と似た話ですが、選択肢は1つが正解で残りは誤りというわけではないので、この中でどれかと言われればまぁこれかな。」という精神で選ぶ必要があります。

例えば、

例:貴方はプロジェクトマネージャーです。昨日はアジャイルチームの納品後の打ち上げでした。朝ごはんは何にしますか??

A:鮭定食
B:カレー
C:食べない
D:ヨーグルト

みたいな問題が出るので、何を食べたいかなんて人によって違うだろ!!コーヒーだけとかって選択肢もあるだろ!!とか色々と思っても、問題文から「昨日はお酒を飲んでいる、又は沢山食べた可能性が高いから食欲がないはずだ⇒CかDかな⇒でも何も食べないのは体に良くないのでD!!」、みたいな解き方をする必要がありますね。

6.合格!でもコレそもそも役に立つの??

合格すると、めでたくPMPホルダーの仲間入りです。

が、この資格本当に役に立つのでしょうか??

なんかIT系の業種の資格人気ランキングでは上の方にいるみたいですが、とにかく情報が少ないんですよね。

本屋の資格コーナーにも全然本が無いし、YouTubeでも日本語の専門チャンネルが1つあるだけっぽいし。。。

英語が出来ないので世界的な評価は不明ですが、日本では全く無名の資格なんじゃないの??というのが露出度からの正直な感想ですね。。。

受験前にネットでもPMP試験についてチョロチョロ調べましたが、ほとんどのページがまだ旧試験の内容(問題数200問)になっていて更新されていないし、なんかこう業界の活気というかみんなのやる気を感じないんだよなぁ。

あと、PMPは「どんな業界にも活用できる!」と謳われており、事実建設業界とかからも注目を受けたりしていたみたいですが、アジャイルが入ってからは建設からは凄い勢いで遠ざかったというか、まさにIT業界のための資格みたいになってしまった気もしています。

ここはPMIの人が一番悩んでいるとは思いますが、折角合格したのでPMPのブランド力をもっと上げて貰えると嬉しいですね。

ちなみに、昔は合格すると合格証とピンバッヂが貰えたらしいんですが、持続可能な社会云々で廃止になったようです。

それで受験料は据え置きなのもなんだかな~って感じがしますが。。。

7.おわりに

という訳で今回はPMP®試験の受験記でした。

なんだかんだで、会社のお金で資格が取れたからよかったのかな??

皆さんも是非PMP®試験にチャレンジしてみてくださいね!!

追記
この記事をfreelancehub(フリーランスハブ)さんに紹介していただきました!!
PMP試験の記事をfreelancehubで紹介していただいた話!

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