読んで面白かった漫画の話!その4:拳児(けんじ)【拳法漫画】

久々の漫画紹介ですが、今回は「拳児(けんじ)」を取り上げようと思います。

少年漫画で武術といえばバトルやらトーナメントやらが王道ですが、これは拳法を通じて少年の成長を描く漫画なのです。

1.「拳児」の概要

拳児(けんじ)
原作:松田隆智、作画:藤原芳秀
連載:1987~1992年


引用:拳児 原作:松田隆智、作画:藤原芳秀

一言で言うと、主人公の剛拳児(ごう けんじ)が、拳法を通じて成長していく姿を描く漫画です。

小学生編、中・高生編では日本で拳法を学び、その後、中国で消息を絶った祖父の剛侠太郎(ごう きょうたろう)の足跡を追って台湾、中国本土へと旅していきます。

連載が少年サンデーなのですが、よくある単純なバトルものではなく、拳法を軸にしたストーリー漫画で、松田先生の拳法の解説と藤原先生のリアルな絵が最高にマッチしてレベルの高い作品に仕上がっています。

コミックスは全21巻。

※本編は20巻までで、21巻は完全に外伝の李書文の話です。

2.話の流れと特徴

基本的には、拳児が拳法を学びつつ、その場その場で起こっている困難を乗り越えていくという話ですが、拳児の成長に合わせてストーリーが進行します。

〇〇編というのはワシが適当に付けた区切りですが、大体こんな感じです。

①小学生編(コミックス1~2巻)

まだ絵がかわいい感じ。

発生する問題も、子供の喧嘩とか、家庭の問題とかそんな感じですね。


引用:拳児 原作:松田隆智、作画:藤原芳秀

祖父の剛侠太郎(ごう きょうたろう)に八極拳を習いながら育っていきますが、最後に侠太郎は中国の恩人に恩返しするために中国大陸へ旅立ってしまいます。

②中学生編(コミックス3巻)

中学生編はコミックスで言うと1巻だけですが、暴走族との争いとかそんなのですね。


引用:拳児 原作:松田隆智、作画:藤原芳秀

教育ママと地頭が良いおかげで、拳児はここまではエリートコースを歩んでいたんですが、この族との争いの所為で人生がアウトローな方向へ。

③高校生・横浜中華街編(コミックス4~7巻)

不良が集まる高校へ入学。

番長で相撲部の不良に絡まれたり、ボクシング部で大会に出たりしますが、終盤は横浜中華街に舞台を移して、終盤までのライバル、トニー・譚(タン)が登場。


引用:拳児 原作:松田隆智、作画:藤原芳秀

トニーとの争いで無期停学になってしまった拳児ですが、これを機に、消息を絶った祖父を探しに、中国へ旅立つ決意を固めます。

④台湾編・香港編(コミックス8~12巻)

祖父を追って渡った台湾・香港で拳法の修行をします。


引用:拳児 原作:松田隆智、作画:藤原芳秀

八極拳の新たなる師や仲間達との出会いと別れって感じですかね。

蘇 崑崙(そ こんろん)は良いキャラしてます。

⑤中国本土編(コミックス13~20巻)

ついに中国本土へ。

回族の村を巡ったり、太極拳を習ったり、あの少林寺にお世話になって修行したりします。


引用:拳児 原作:松田隆智、作画:藤原芳秀

最後は侠太郎の消息が判明し、追ってきたトニーと決着をつけて、ついに日本へ帰国。

3.見どころ・ポイントなど

何といっても、沢山の武術や拳法が出てくるところが見どころでしょう。

主人公の拳児がメインで修行している八極拳(はっきょくけん)が登場回数が多いですが、日本にいるうちは空手、相撲、ボクシング、中国拳法だと、洪家拳(こうかけん)、蟷螂拳(とうろうけん)、八卦掌(はっけしょう)、劈掛拳 (ひかけん)、太極拳(たいきょくけん)、少林拳(しょうりんけん)、心意六合拳(しんいろくごうけん)などなど、色んな拳法が登場します。

↓解説が細かいのもグッド。

引用:拳児 原作:松田隆智、作画:藤原芳秀

まぁ、長拳(ちょうけん)みたいに名前だけ出てきてアッサリ流される拳法もありますけどね。

 

また、拳児の成長を描くストーリーも面白いです。

ストーリーの最後で拳児は「大いなる愛」という悟りを得ますが、最終的にどの拳法も目指す到達点は一緒で、誰が強いとか、どれだけ技を知っているとか、そういうことではなくて、(拳法を通じての)人間の完成を目指しているということを教えて終わるんですね。


引用:拳児 原作:松田隆智、作画:藤原芳秀

それを言ってしまうと、結局拳法じゃなくても、音楽や料理なんかを通じて人間の完成を目指しても良いんじゃないかとなる訳なんですが、まさにその通りで、拳児という作品は拳法が軸だったという訳です。

でもまぁ、個人的には大いなる愛に到達するためには肉体的な痛みを知った方が近道になるような気もしますけども。。。

4.その他:思い出す拳児

どうでもいいですが、拳児は結構な頻度で戦闘中に大事なことを思い出します。

戦闘という極限状態のなかで「思い出せる」ってのも凄いですが、しかもさっきまで忘れてたような技術を、思い出したら”すぐ使える”ってのも凄いですね。

↓思い出す拳児。

引用:拳児 原作:松田隆智、作画:藤原芳秀

こういうのは普段の練習がモノをいうんだろうなぁ。

 

あと、思い出すといえば、コミックス15巻で「心意六合拳。どんな拳法なんだろう?」って考えるシーンがあるんですが、お前それコミックス10巻でチョロッと教えて貰ってるハズやで!!

↓コミックス15巻の拳児と、10巻で心意六合拳を教えてくれようとしている兄弟子の梁志強さん。

引用:拳児 原作:松田隆智、作画:藤原芳秀

まぁ、その後劉老師から「短期間にそんなにやらせたら拳児が壊れてしまう。」って発言もあったし、実際に教えて貰っている描写もないので実際は習えなかったのかもしれないですが、梁志強のさわやかな笑顔を見るたびに、忘れている拳児を思うと無念でならないのです。。。

ひょっとすると、コミックス10巻(台湾)と15巻(河南省)だと言語が全然違うはずだから、同じ拳法だと思っていなかった可能性もあるかもしれないけど。。。

5.おわりに

というわけで、今回は「拳児(けんじ)」の紹介でした。

いや~、昔武道系の部活に入ってたときに部室に「拳児」のコミックスが置いてあって、部員の皆で本来の練習そっちのけで中国拳法を練習したのを思い出しますね。

その後、格闘ゲームを持ち込んだ奴がいて、それからはゲームの技を練習したりもしていましたが。。。

皆さんも、是非拳児を読んで中国拳法の深さを味わってみてくださいね!

実は最近拳児2という連載もやっているみたいですよ!!

藤原芳秀 (著), 松田隆智 (著)

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