電子申告(e-Tax)をID・PW(アイディーパスワード)方式で申告した話【マイナンバーカード不要・2019確定申告】

最近はふるさと納税があるのでサラリーマンでも確定申告をする人が増えましたよね(ワンストップ制度もできましたが。)。

会社の先輩なんかからは「電子申告が簡単でいいよ~」と何度も言われていたんですが、電子申告はマイナンバーカードでの認証が必要というのが自分にとってハードルが高く、結局マイナンバーカードの発行手続きをするのをダラダラ引き延ばしているうちに申告期限が来てしまうので、毎年印刷した申告書を税務署に送付する方式で確定申告をしていました。

ただ今年(2019年)は電子申告をせざるを得ない事態に追い込まれて、急遽ID/PW方式で電子申告をしたのでそのメモを残しておきます。

1.確定申告ってなんぞ?

確定申告は、昨年1年間(1月1日から12月31日)の所得やら何やらを2月から3月の間に税務署に申告して、納税したり、還付を受けたり、控除を受けたりする仕組みです。

申告期限内に申告できればいいのですが、期限を過ぎてしまうと期限後申告扱いになって加算税を取られたり、控除が受けられなくなったりするデメリットがあります。
申告の種類なんかによって期限は違います(還付は5年とか)。

んで、自分は去年(2018年)に株で大損したこともあり、損失の繰越控除をするために確定申告しました。(ふるさと納税もしているのでそれも併せて申告したけど)

これをやると、3年間は利益が出ても損金と相殺して税金を納めなくてよくなるので、是非ともやっておきたいところです。

しかし、今年の申告期限ギリギリになってある問題が発生しました。

2.特定口座年間取引報告書の原本が無い!!

問題はただ一つ。

証券会社が発行している「特定口座年間取引報告書」の「原本」が手元に無かったんですね。

損金の繰り越し控除をするにはこの年間取引報告書の「原本」が必要なんですが、うちの証券会社は連絡方法を「電子交付」に設定しているとPDFでしか年間取引報告書を送ってきません。

証券会社からのメールやら連絡欄を見返してみると、「確定申告の場合には原本が必要だから、別途請求してください」みたいな記述があるんですが、この事実に気づいたのが申告期限ギリギリなので、今から請求してもとても申告期限に間に合うとは思えない。。。

ギリギリにならないと動き出さない自分が全て悪いのですが、昨年はかなり多額の損失を出しているので申告できないのは痛すぎます。

なにか方法はないのでしょうか。。。

3.誤魔化す方法を探す!

そもそも特定口座年間取引報告書のPDFは存在する訳で、これを印刷して申告しちゃえばいいんじゃないの??というのを最初に考えました。

ネット上で色々と調べたら同じような質問をしている人が結構いたのですが、それに対する回答としては「PDFからの印刷だと改ざんの可能性があるため、申告に使えません。」的な内容が多い感じ。

国税庁のHPにも「原本」というワードがしっかりありました。

「証券会社によってはPDFを印刷して添付してもOKってQ&Aに書いている会社もあるよ」という書き込みを見つけて、藁にも縋る思いで自分が利用している証券会社のQ&Aを見たんですが「申告で必要な場合は別途送付するからそれを使うこと」的な記載になっていました。

つまり申告には証券会社が「原本」と認めている書類を添付する必要があって、PDFの印刷でOKな証券会社はそれが「原本」だけど、うちの証券会社はPDFの印刷物は「原本」じゃないことになるのでしょうね。

そもそも、証券会社から送付されてくる原本と、PDFの印刷物に差があるのか??というのも気になって、ネットでアップされている年間取引報告書の画像を漁ったりしたのですが、全体を映している画像を見つけることはできませんでした。

ちなみにネットには「税務署がそこまで見ることは絶対にないので印刷で大丈夫!俺は毎年印刷物で申告しているが何も指摘はない!」とか、「とりあえず申告しちゃって、指摘受けたら原本送付すればいいんだよ。」とかいう猛者の書き込みもあって、確かにそうなんだろうなぁと思いつつも、「分かっていてルール違反するのはどうなの?」という気持ちで踏ん切りがつきませんでした。

これは申告をあきらめるしかないのか!?

4.電子申告なら年間取引報告書の添付が不要・・・しかしマイナンバーカードが必要

電子申告(e-Tax)であれば、年間取引報告書等の証拠書類の添付が省略できるのは、結構早いタイミングで把握していました。

ただ、電子申告には「マイナンバーカード」とカードリーダーが必要です。
カードリーダーはスマホにNFCが付いているので代用できるから良いのですが、マイナンバーカードは発行までの期間が一か月以上。

それなら証券会社から原本取り寄せるわい!

と思っていたので、電子申告の情報は全然調べて居なかったのですが、会社の先輩が「そういえば今年からIDとPWで電子申告が~」と飲み会で話していたのを思い出しました。

あれ、もしかしてマイナンバーカードが無くても電子申告できるのか??

ちょっと希望が見えてきました。

5.電子申告のID・PW方式(アイディー・パスワード方式)

なんと2019年から税務署で発行するIDとPWを使用することで電子申告が利用できる制度が始まっていました。

↓マイナンバーカード及びICカードリーダーは不要です!

ぶっちゃけた話、総務省管轄のマイナンバーカードが全然普及しないけど、国税庁としては入力やOCRでの読み込みが必要な紙申告ばかりだと負担がものすごいから、さっさと電子申告を普及させたいという思惑から出来た仕組みなんでしょうね。

来年からは大企業は電子申告が義務化されるようですし、どんどんITで効率化されていくのは良いことだと思います。税金も安くしてください。

んで、このID・PW方式は、一応「マイナンバーカード及びICカードリーダライタが普及するまでの暫定的な対応」との建前になっていて、いつ取りやめになるかはわからないとのこと。

まあ、マイナンバーカードが永遠に普及しないのであればこの方式も永遠に続くことでしょう。

色々と調べた結果、ID・PW方式だとメッセージボックスの一部機能の制限とかがあるようですが、とりあえず申告するのに問題はなさそう、ってことで早速税務署へ向かうことにしました。

6.IDとPWを求めて税務署へ

ID・PW方式のすごく良いところが、どこの税務署でもIDとPWを発行できるところ。
自分は地理的に隣の自治体の税務署の方が近いところに住んでいることもあり、お言葉に甘えていつも申告している税務署ではない「最寄りの」税務署へ足を延ばしました。

 

到着すると確定申告期の税務署は激混み。

警備員の人が列を捌いているレベル。

 

とりあえず入口まで行くと、やつれた職員の人が「確定申告ですか?」と聞いてきたので、「電子申告のID・PWが欲しいのですが。。。」と伝えると、「それならここから奥の部屋に行ってください」と全然人気のない部屋に通されました。

確定申告の会場とは違って、待っている人は自分以外に一人だけ。

窓口で身分確認の書類(免許証)を見せたら、職員の人が端末を操作して3分くらいでIDとPWが発行されました。

端末の操作中に「あれ、管轄の税務署違いますよね?」とは言われましたが、だからと言って特に何が問題になるわけでもなくスムーズな発行でした。

外の喧騒が嘘みたい。

これで待望の電子申告ができます!

 

話は逸れますが、確定申告の窓口では税務署の人が「うちの旦那がふるさと納税してね~。でも払ったのはアタシのカードなのよぉ~。」みたいなおばさんの相手していて大変そうでした。
こういう人が大量に押しかけてくるのはある意味ホラーですね。
職員の人にはちょっと同情します。

7.ついに損金の繰り越しを申告できた

IDとPWを貰ってしまえばあとは簡単。

家に帰って電子申告するだけですね。

ちなみに、添付が省略される証拠書類は税務調査等に備えて5年間だかの保存を義務付けられているので、電子申告する裏で速攻で年間取引報告書の原本を証券会社から取り寄せる手続きをしました。

これも時期が時期だけに気を効かせてくれたのか、速達で送ってくれて思ったよりすぐ届きました。
こんなに早く届くなら本当に申告期限ギリギリになるけど、到着を待って紙で申告しても大丈夫だったかもしれませんね(賭けになりますが)。

ちなみに、当初から気になっていた「原本」とPDFの内容が果たしてちがうのか!?という問題ですが、結論から言うと「違っていました」。

まあ大枠や数字は当然同じなんですが、「原本」は微妙にフォーマットが違いましたね。
あと紙質もちょっと厚めの良い紙でした


PDFを印刷して申告しても一緒だったじゃん!とならないで良かった。。。のかな??

8.なお平成31年4月1日以降の申告からは特定口座年間取引報告書の原本は添付不要

ちなみに、「特定口座年間取引報告書」ですが、平成31年度税制改正により平成31年4月1日以降に提出する申告書からは添付が省略になったようです。

簡便化されるのはいいけど、たった1か月だけの差でこんなに手間をかけさせられるとは。。。

なんか馬鹿にされた気分ですね。

ただ、タイミング良くID・PW方式が導入されていて本当に助かりました。

今後年間取引報告書の原本問題に苦しむ人は居なくなったわけで、この一連の話もわざわざ記事にする必要もないかなと思ってこんな時期の執筆になってしまったわけですが、とりあえず今回のドタバタの教訓としては、色々調べてみると意外と何とかなることもある。ってことですね。

特に税金関係は知らないと損しかしないので、色々調べて皆で節税しましょう!!

関連:【ふるさと納税・株の損失繰越・アフィリエイト】確定申告を電子申告(e-Tax)でした話【2020】

 

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